四谷NOW~ホームページ制作会社 gravity works(グラビティ・ワークス)ブログ

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先週観た映画(01/01~01/17)
2010.01.21 (Thu)
先週に続いて、滞っていた日記の追加更新。
やっと今週で元通りである。


ところで、寝ても覚めても「アバター」の興行成績が気になるわけですが、
ついに「ダークナイト」を抜いて、米国内の興行成績の歴代2位になりましたな。

いよいよ、「タイタニック」のお尻が見えてきたわけですが、
自分で自分の尻を追うなんて、キャメロンも変わった人だなぁ、
とつまらない事を思ってしまう今日このごろ。




01/01
ナシ

01/02
ナシ

01/03
【マイ・プライベート・アイダホ(1991)】
インディーズ界でブイブイいわせていた頃のガス・ヴァン・サント監督作品。

今は亡き、リバー・フェニックスとキアヌ・リーブスが男娼を演じたという事でも話題になったのだが、雑誌ロードショーとかスクリーンで、2人のグラビアが掲載されるというアイドル的な扱いだったのが懐かしい。

過去に3回ほど観た事があるのだが、
いつ観てもよく分からん・・・というのが正直な感想。

実に10年ぶりくらいに観たのだが、
今回は妙に楽しめた。

幼い事に生き別れたオカンを探して旅に出るのが、リバー・フェニックスなのだが、ナルコレプシー(睡眠障害)なので、発症すると突然道ばたで爆睡してしまうという設定。

そんなリバーをかいがいしく世話するのがキアヌ。
リバーはキアヌが好きなのだが、バイセクシャルのキアヌは、旅の途中でイタリア娘とフォーリンラブ。

それきっかけで、元々金持ちのボンボンだったキアヌは家を継いで、イタリア娘を伴ってセレブデビュー。

完全に希望を失ったリバーはオカンを夢見続ける・・・。

と、シュールなコントとして観ると、めちゃくちゃ面白い!

途中で出て来る金持ちのゲイ(ウド・キア)なんか、ヘンな踊りでリバーとキアヌを悩殺しようとしたり、ヤク中でホラ吹きのホームレスが男娼グループのボスだったり、キャラ設定がもうメチャクチャ。

公開当時は確かロードムービーブームで、そのひとつとして制作された感じだったが、神出鬼没のオカンは、どう考えてもリバーに対する愛のかけらも感じられないわけで、そこに何のカタルシスも無い。

こんなデタラメなストーリーをどうやって収束させるのだろうと、最後まで興味深く観ていたのだが、なんと広げた風呂敷をたたまない!!!!
逆に面白い!

10年前は、何とも思わなかったシーンが面白かったり、サッパリ意味不明だったセリフの意味もなんとな~く理解できたり、色々と再発見できた。

映画って、これだから止められないんだな。


01/04
ナシ


01/05
ナシ


01/06
【外事警察(2009)】
麻生幾の小説が原作の連続TVドラマ。

対国際テロ捜査を行っている公安外事四課とテロリストの壮絶な情報戦を描く。
決してスポットライトを浴びる事のない、外事課で働く人間達を描いているのが面白い。

主人公は渡部篤郎が演じる住本健司。
こいつがとんでもない野郎で、情報を得るためなら手段を選ばない。
本当に警察官かよ!と思えるほど。
しかし登場人物のほとんどはこんな奴らばかりで、
まともな人間はほとんど出てない。

唯一、視聴者と同じ目線で、公安の仕事ぶりの目の当たりにするのが、
尾野真千子が演じる新人・松沢陽菜。

彼女の目線で語られるストーリーは、全ては、国家の安全のために行っているとはいえ、こんな事を公務員ができるのか!?と思えるほどダーティーな事ばかり。

その内容は島袋修の「公安警察の謀略を斬る さらば桜よ」を読んでいたりすると、すんなり理解できるかも。

もしかすると公安が情報源を確保する手段が映像作品で描かれたのは初めてかもしれない。
特に石田ゆり子演じる下村愛子を「協力者」にするために、過去の弱みにつけ込むくだりは、かなりリアルで、公安という仕事をとても分かりやすく描いている。

爆音BGMに乗せてアイドル俳優やモデルの過剰な演技を見せる民放ドラマより、ストーリーをじっくり見せるためにかなり地味な仕上がりだが、そのぶん見応えは抜群だ。

映画並みに露出を絞った映像や手持ちショットを多用した演出は、「ボーン・アルティメイタム」のポール・グリーングラス的な手法だが、地味なストーリーにすごくマッチしていて大正解。

騙し合いの情報戦を描いているので、トリッキーなプロットになってしまうのは仕方無いのだが、そういう事を抜きにしてみると、物語の核にあるのは、ひたすら「覚悟はあるのか?」という問いかけだけだ。

「正義」とか「愛国心」ではなく、「お前に○○○○を守る覚悟はあるのか?」という問いかけのみ。
「○○○○」の部分は、「家族」でも「恋人」でも何でも良い。

これはとても重いテーマだ。

ダーティーな住本を、ずっと批判し続けているのは、何も分かっていない新人の松沢だけ。
テロ情報を得るために利用する人間も利用される人間も、松沢以外は互いを批判したりはしない。
公安もテロリストもスパイも皆「覚悟」が出来ているからだ。

クライマックスで描かれる、とてつもない焦燥感の果てに訪れるのは感動でなく、ずっしりと重い感覚だけ。

全6話だが、一気に観る事ができる。

恐るべし、NHKである。


01/07
ナシ


01/08
ナシ


01/09
【ワールド・トレード・センター(2006)】
戦う映画監督オリバー・ストーンの「らしくない」9.11モノ。

港湾局警察に勤める警官をニコラス・ケイジやマイケル・ペーニャが演じる。

キャストのほとんどは抑えた演技で実在の人物を演じており、緊迫感を見事に表現。
テロ発生までの当日の様子も丁寧に描いていて、アメリカ人にとって
あの事件がどれだけ衝撃的だったかを映し出す。

おかしい・・・。オリバー・ストーンならではの尖ったテイストが一切無い。
「JFK」で見せたような鋭さ・・・、つまり9.11に関する新しい情報や
陰謀めいた都市伝説的なエピソードもなく、
どちらかというと「ニクソン」に近いかも。

9.11に関して、ある程度結末を知っているため、
映画的にはそれほど面白いものではない。

ただ、気になったのは、ものすごい危険と恐怖の中、
救出に向かった彼らの表情だ。
緊張感と恐怖をしっかりと伝えてくれる。

問題なのは、オリバー・ストーンの演出が、大した抑揚もなく、
(較べるべきではないが)全編ドキュメンタリータッチで描いた
「ユナイテッド93」ほどのインパクトが無いので、
どうしてもパワー不足感が否めない。

それは、警官達の家族を描写する事で、
観客の同情を引こうとした演出のせいだと思う。

「バック・ドラフト」にも同じ事が言えるのだが、
家族の姿をこれでもかと映されると、
当の本人達の不安や恐怖がボヤけてしまうのだ。

もっと警官達の描写を限定して映し出せば、
そもそも129分もの長尺を使わなくていいとも思う。

再現性を重視しているなら、「ユナイテッド93」の演出法が如何に正しかったかが分かるはず。
まぁ、あれも通話記録などを元にしているものの大半が想像なんだけど・・・。

オリバー・ストーンは「サルバドル」や「トーク・レディオ」の時のような
尖った演出を出来なくなったのだろうか。

何だか少し残念な気分になる。

01/10
【TMNT(2007)】
人気コミック「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」の再映画化。

80年後半から90年代にかけて3回実写映画化されていたが、
ヘンソンスタジオ製のスーツを着てのアクションは
限界があった。

どう見ても、敵役が倒されるのを待っているように見えるのだ(笑)
とてもスローなアクションだったが、
手作りスーツの出来の良さに結構感動したものだった。

で、今回は香港映画界のスタッフが中心となって、3DCGで制作されたのだが、
なんでもっと早く3DCGでやらなかったのかが不思議なくらい、
バッチリと決まっている。

スピーディーなアクションは、こんなTMNTを観たかった!と思わせてくれる。

が、如何せんストーリーが全く面白くないのが×。

リッチなビジュアルやテンポの良さに反比例して、
敵の目的やタートルズ達の個性が今ひとつ出てこない。

スティーブン・キングの言葉を借りると
「エンジンを積んでないキャデラック」という感じ。

つまり、空っぽなのだ。

おそらく後2作くらいは作られるだろうから、
もう少しストーリーを練ってほしいものである。


01/11
【ショーン・オブ・デッド(2004)】
愛すべき映画オタク監督のエドガー・ライトデビュー作。
主演はもちろんサイモン・ペグ。

基本的に「ゾンビ(原題:ドーン・オブ・ザ・デッド)」のパロディ作品なのだが、エドガー・ライトがすごいのは、そこにゾンビ映画への果てしない愛情を注ぎ込んでいるところだ。

まずゾンビ映画には下記の重要な要素がある。

(1)ゾンビは走らない(走られると逃げられないからね)
(2)ゾンビになる前の行動パターンを繰り返す(文明批判、社会批判は大事)
(3)主人公達はみんなバカ(あえて危険な自衛手段を選択する)
(4)一番恐ろしいのは人間である(ゾンビ殺しまくるとおかしくなるんです)

これらの要素を基本フォーマットにして、ストーリーを構築するわけだが、エドガー・ライトのアイデアがめちゃくちゃ面白い。
それは「イギリス人はパブが大好き」というもので、ゾンビになっても生前の習性でパブに集まってくるのだが、生きてる人達もパブが好きなので、パブに避難する。
結局生きてる人も死んでる人も、み~んなパブに集まってくるわけだ(笑)

で、生きてる人達がこれまた面白くて、主人公ショーンは彼女のリズに捨てられたダメ人間、唯一の親友エドもニートでダメ人間。他もダメンズ好きの大根女優やハリー・ポッターに似ている屁理屈男とこんな奴らが生き残れるのか?と思える連中ばかり。まともなのは主人公の元カノのリズだけ。

このバカバカしい設定が、さらにストーリーを面白くしていて、気楽に楽しめる作り。

しかも、さらに素晴らしいのは最後まで主人公達が成長しないこと(笑)
無理に成長させようとせずに愛すべきダメ人間としてを描き切っているところが好感度大。

何度観ても楽しい作品だ。


01/12
ナシ


01/13
ナシ


01/14
ナシ


01/15
ナシ


01/16
【ホット・ファズ(2007)】
「ショーン・オブ・ザ・デッド」を観てからというもの、同じエドガー・ライト作品を観たくなってしまい、我慢しきれず鑑賞。
最近、二度観、三度観ばかりなのは如何なものか・・・。全然新作を観る回数が減っている。

でも面白いものは何度観ても面白い。

前作「ショーン・オブ・ザ・デッド」がゾンビへの愛を詰め込んだ作品なら、本作はポリス・アクションものへの愛がたっぷり詰まっている。それも「ハート・ブルー」と「バッド・ボーイズ2」限定(笑)

どちらもポリス・アクションものの中でも脳みそを棚に閉まって観る事ができる良作だが、この2本へのオマージュと、カルト作品「ウィッカーマン」のパロディがてんこ盛りだ。

目のつけどころが素晴らしすぎて、映画ファン以外は理解できないシーンが満載。

とはいっても、基本的なストーリーは面白いので、前述の作品を観ていなくても充分楽しめる。

主演はもちろんサイモン・ペグとニック・フロストの「ショーン・オブ・ザ・デッド」コンビ。
脇役には元007のティモシー・ダルトン、名優ジム・ブロードベンド、スチュワート・ウィルソンなど実力派揃い。

テンポの良いアクションと、分かる人しか分からないギャグで、中だるみなく楽しめる。

ラストの大銃撃戦も迫力あり、ペキンパー(というかきっとジョン・ウー)ばりのスローモーションを多用して楽しませてくれる。

この「ホット・ファズ」はめちゃくちゃ面白いにも関わらず日本での公開が危ぶまれたいわくつきの作品。
どうしても観たいファンが発起人となって署名活動をして配給を実現させたという経緯がある。
自分も署名しただけあって、思い入れも深い。

エドガー・ライトの次回作はサイモン・ペグとのコンビ3作目「The World's End」が待機中だが、その前に「Scott Pilgrim vs. the World」がリリースされる模様。
「Scott Pilgrim vs. the World」はグラフィックノベルの映画化で、「ごく普通のバンド青年が、恋人をゲットするために7人の邪悪な元カレと対決する」そうな。
めちゃくちゃ面白そうじゃん!!!!

早く、観たい~。


01/17
【宇宙戦争(2005)】
久しぶりに観たくなって、またまた鑑賞。
もう10回くらい観たかも。

何度観ても素晴らしいのは、雄叫びを上げるトライポッドの描写。
妙にメカメカしているのはさておき、害虫駆除でもするかのように人間を抹殺する姿は、理不尽な恐怖を見事に表現している。

映画的なスリルのために、何故か危険な方向にばかり向かうトムクルの逃げ方は、まぁいいとして、逃げる途中、「何で今なんだよ!」というKYな自立心をバカ息子(米版・悟空を演じて総スカンを喰らったジャスティン・チャットウィン)に芽生えさせたり、ことあるごとにキーキー騒ぐ娘(ダコタ・ファニング)には、心底イライラさせられるが、これはいつもスピルバーグの手口だ。
子供の命を守るために殺人まで犯してしまうシーンを入れて、後味を悪くするのもスピルバーグの常套手段だ。
でも死と隣り合わせのパニックの時には、聖人のような主人公ではなく、こういう人間性が崩壊する主人公の方がとてもリアルだ。
インタビューでも公言している通り、9.11を意識したシーンが数多く含まれるのも、手持ちショットを多用して目線を低く捉えているのも、全てはリアルな恐怖を表現するための意図的な演出だ。
最初観た時は「プライベート・ライアン」をSFでやりたかっただけだと何か手抜きっぽい残念さを感じていたが、観れば観る程に実に正しい演出だと思えてくるのだ。

ラストのあっけなさには賛否両論で、最初、自分は否の方だったが、最近はこのアッサリ感が一番良い終わり方なんじゃないかと思えてきた。
派手に宇宙人をブッ飛ばしたい人は「インディペンデンス・デイ」を観るべき。

あと、後半すぐに「大阪では何体か倒したらしい」というセリフが出た時に、真っ先に思い浮かんだのは東岸和田である。
きっと、だんじり用の神輿をガンガンぶつけて倒したに違いない。

さすが、大阪。


今週末は、昨年から、ぽすれんレンタルしっぱなしのニール・ジョーダンの「モナリザ」を、いい加減に観なければいけない。
あと、録りためたドラマや特番も・・・。

こんな事で忙しいなんて、なんて平和なんだ・・・ニッポン。


ウエダでした。
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