2009.07.07 (Tue)
グラビティ・ワークスの浅賀です。
先週末7/4に、今年の目標の富士山登頂に挑戦して来ました。
年初に目標にした時から、この日が来るのを楽しみに待っていました。
ホームページ制作の企画や構成で、机にへばりついていることが多いので
運動不足間違いなし、山頂までの道のりは険しいこと請け合いです。
体力にはホトホト自信はありませんが、
高尾山、や、北横岳、日光と、コツコツと楽しみながら練習を積んできたので、
大丈夫なはずです。
さて、まずは準備。
インターネットに関わる業務ですので、情報収集はお手の物です。
さらに、知人、友人にアウトドア派が多いので、
アナログも駆使して富士山登頂に向けていろいろな情報を集めます。
・3,000m超えたあたりからが酸素も薄くなり、キツイ。
・高山病の症状が出たら、高度を下げない限り治らない。
・水分はこまめに摂取する。
・実は下りが足の負担が大きい。
・足早に登らない(高山病対策+体力温存)。
・日本で一番辛い山といっても間違いではない。
総じて大変なことばかりです。
ですが、この2点は誰もが口にします。
・山頂からの眺望は最高
・達成感はひとしお
期待できますね。
では、富士登山に対応すべく、道具も揃えます。
・くるぶしまである靴を新調
・登山用ストックで昇降を楽に
・酸素系アイテム
・機能系スパッツ(筋肉補助)
・携帯食
(※結果、全て投資以上のリターンがあったと感じています。)
さて、当日です。
須走口から山頂を目指し、御殿場口の大砂走りを下って帰ってくる、というルート計画でしたが、
今年は残雪が多く、河口湖・吉田口のみ登山道がオープンです。
ルート変更で河口湖・吉田口ルートで挑みます。
明け方3時、あいにくの雨。なんと、土砂降り。
5人のパーティでしたが、悪天候とこれから待ち受ける試練に多少うなだれながら、出発。
いやいや、楽しんで登るのだ。 大いに楽しみだったじゃないか、富士山。
軽快に高度を上げます。
7合目ですでに標高2900m以上。ここでもすでに空気が薄いです。
そして、ここから急勾配の難所が続きます。
そろそろ疲れも出てきました。
8合目、3100mを超えて、このあたりから高山病の症状が出てきちゃいました。
標高が高く、酸素が薄い状態で起こります。
酸素を体から失い、かつ、脳や体に十分に行き渡らないことで起こるいろいろな症状。
・吐き気
・頭痛
・めまい
・もうろとしてしまう。
・眠気
・手足のしびれ
思い出すだけでキツイ。
自分は特に頭痛がひどかった。持参した酸素を吸入すると一瞬だけ治るのですが、
継続的にはダメ。
耐えられるだけ耐えて登れるところまで登る!ということに決めました。
ここで、パーティ中1人、高山病にて無念の下山。
人生いろいろ、こういうこともあります。
落ち込むな、友よ。しっかり山頂の土を踏んでくるぞ、と意気込みます。
自分もヘロヘロですが。
8合目以降も難所が多く、足はあがらない、ますます酸素は薄い、
頭は痛い、もうろうとする、自分との向き合いです。
・自分の体力で登り切れるのか、あきらめるのか?
・なぜあきらめるのか?
・なぜ登るのか?
・目標は?
・準備に余念は無かったか?
・判断に間違いはないか?
・そもそも何で富士山に登る?
・人生って?
複雑な感情がうごめいたのは、後から考えると興味深いです。
ただ、実際は感情のが90%"つらい"、残りの10%が"その他"でしたので
よくよく深く考えている余裕なんてなかったです。
8.5合目あたりで幸運にも雨が上がってくれたのがよかった。
ここでやっと富士山らしい景色に心が弾みました。
駿河湾が遠くに見えて(だと思う)平凡な言い方ですが感動しました。
山頂(らしきもの)が見えてきました。俄然、頑張ります!
目標が明確であることは大切だなー、と実感。
ただ、山頂(らしきもの)が見えてからが遠いー。
一歩一歩踏み出した分だけ確実に登っているという事実を自分自身に言い聞かせ、
足のとにかく次の1歩踏み出し続けることで精一杯。
すぐそこに山頂。
先に山頂についた仲間の声が聞こえて燃えます。
なんだろ、この感覚。運動会のリレーの時に声援を受けた時と似ている。。
そして、登頂成功!
ひゃ?。感極まります。
ただただ感動。
山頂の眺望と食べたおにぎりの味は最高!
空に丸い虹が出てて、これまた感動!
山頂にいたみんながため息を漏らしてました。
頭痛もマックス!!
ゆったりと楽しめなかったのは残念ですが下山を急ぎます。。
下山は足への負担に気を遣いながら、ひたすら下ります。
感想は長くなるので割愛。
富士山登頂の感想は、一言で『チャレンジして良かった』です。
日本で一番高い山に登る、という目標がクリアで分かりやすいため、
成し遂げていない事にチャレンジしていることの事実(過程や難易度)が明確で、
達成したときの充実感と爽快感たるやこの上なし。
また、単純に道具の大事さを再確認できたり、
山頂からしか望めない景色も格別でした。
何を選択し何を捨てるのかや、
目の前にある事実や状況に対しての自分と向き合うこともできたり、
感情の動きも楽しかったです。
90%の"つらい"、10%の"うごめき"ですが、
実はほとんど"無我夢中"、つまり"無心"だったのかもしれません。
日常、つねに何かを考えている(と思っている)ので
何も考えず集中することは、新鮮で至福なのかもしれません。
そして何よりも、困難と喜びを共有できる仲間がいた事が幸せでした。
また、登ると思います。
※これよりキツイ山はないと思うと、今後の登山ライフ、
楽しくてしょうがありません。
<おなかに入ったものリスト>
・水 1.0リッター
・ポカリスエット 0.5リッター
・Power Bar ココナッツ味 1本
・カロリーメイト フルーツ味 2本
・チョコレート ダーツ 3粒
・あめ玉 2個
・ゼリー状の携帯食(アミノ酸入り)
・アミノ酸(粉末) 3000mg x 2
・おにぎり 3つ(鶏五目、つくね、さけ)
・甘納豆
・酸素タブレット 10粒ぐらい
・酸素 5リッターぐらい
【富士山山頂】
実は、河口湖・吉田口を登り切ったところは3776mの最高点ではない。お鉢巡りでたどり着く“剣ヶ峰”が最高峰。雪が多くて断念。
マップを拡大
キャプテンK 2009年7月 8日 14:54
富士山登頂おめでとうございます!
高所恐怖症ではないですが
高くて怖いくらいですね……。
斜度もすごいし。
それにしても
本当に美しい山だなあ!
niwashi 2009年7月 8日 17:38
いやー・・・。面白いレポートでした。
格別。
内容も。構成も・・・。
文章、うまいっすね。
つらさと素晴らしさがない交ぜになったレポートに、チャレンジしたい気持ちと出来そうにない気持ちがが50%50%の大きなかたまりでやってきます。
gravity-works 2009年7月 8日 19:33
>キャプテンKさま
なんとか登頂に成功しました。ありがとうございます!
斜度はかなり急でした。遠目から見たらきつそうですもんね。
いきなり富士山は無謀かもしれませんが、
谷川岳とか北横岳とか、ロープーウェイで標高を稼げるお得山もありますので、
そのアタリから攻めつつ、
富士山にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
頂上からの眺めは最高でした!
gravity-works 2009年7月 8日 19:36
>niwashiさま
まさか文章をほめられるなんて。。お恥ずかしい限りです。
富士山ですが、準備と計画、それに心がまえが重要そうです。
なめたらあかんー、ってやつですね。
あとは、体力と気力にちょっと自信があれば登りきれるはずです。
私は、下山後まだ夢見心地、感動からさめあらぬ感じです。
たぶん、相当、富士山登頂から影響を受けているんだと思います。
初めて沖縄・石垣に行ったときの衝撃と感動に似ています。
体験、体感したことのない事で、価値観、人生観が変わるような。。。
想像通り?以上?キツイですが、
間違いなくオススメです。